『捨てられた皇妃』レビュー

※もともと、アマゾンのレビューに投稿しようと書き始めたものの、あまりにも長過ぎる・内容がちょっとな…と思い、せっかく書いたのも勿体ないと、こうしてブログ投下してみました。

 

 

 

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捨てられた皇妃 1 (FLOS COMIC)

捨てられた皇妃 1 (FLOS COMIC)

  • 作者:iNA
  • 発売日: 2019/04/15
  • メディア: Kindle
 

 

 

『可愛い絵柄に絢爛な衣装が美しく、目でも楽しい、ストーリー展開も面白い。優秀な作品。(※途中から漫画・小説ネタバレ注意)』

 

 

ピッコマアプリで連載中、毎週の更新が楽しみだった今作。最新話が特に楽しかったので、小説・単行本と他媒体にも手を出しました。

以下は、1巻だけでなく、話全体を通しての感想になります。(具体的なネタバレなし)

 

まず、可愛らしい絵柄が私の好みでした。女の子は可愛く、男性陣は格好良いキャラクターが多いです。衣装のデザインがどれも凝っていて、主人公はよく衣装替えするし、皇子や騎士の衣装も格好良く、視覚的にも楽しめます。

ストーリーについて。回帰後は主人公のアリスティアが過去のトラウマを乗り越えようと努力する過程が描かれます。その中で様々なキャラクターが関わってきて、孤独だった主人公にも心理的な変化が現れます。主人公の感情描写が細かく、話が進むにつれ、主人公の成長が周りの人間関係にも影響を与えていきます。話の肝は、アリスティアとメイン男性三人との恋愛模様でしょうか。神に選ばれし子として、政治的な思惑に否が応でも巻き込まれていくアリスティアは、個人の感情だけで生き方を決められない難しい立ち位置なのですが、それと同時に、過去のトラウマを抱え恋に臆病になっています。アリスティアは結局どんな未来を手に入れるのか?健気でひたむきな主人公を思わず応援してしまう、そんな漫画です。

 

 

私は漫画版123話、小説版31~33・63・90~95話まで手を出しています。ネットで結末も知ってしまいました。

 

 

以下の感想は、ネタバレ注意になります。

 

 

私は漫画版116話あたりから、皇太子とアリスティアのカップルがあまりにも可愛らし過ぎてツボだったので、こうして作品にのめり込んでいったのですが。

漫画版、皇太子とアリスティアがくっ付く前提で話が練られているな、と思いながら読んでます(実際、結末もそうなるらしいのですが)。個人的に、この二人は前世から「潜在的な両想い」だったのでは?と推測しています。皇太子は環境から愛情に恵まれず、アリスティアへの感情を歪められるよう(母親やアレン父の事。アリスティアの血筋を皇太子に教えたのはゼナ公爵?)にも育てられていて、皇太子が良くも悪くも私情を挟んだ相手は、前世・今世共に、アリスティアだけだったのでないでしょうか。これは、かなり私の推測ですが

ハレンが117話で、皇太子は誰にも心を開かなかっただろうと語っているのですが、前世での美優へのそれは、本当の愛情で無かったのだろうと思います。

アリスティアと皇太子は昔に交流があったらしく、過去の何かが原因で皇太子からアリスティアを遠ざけるようになったようですがその原因が何か、今後の展開が気になります。

 

 

そんな想像をしつつ、先の展開が気になり手を出した小説版に、私はかなりの衝撃を受けます。

小説版、アリスティアの感情描写がより細かかったり、漫画版より詳細な情報が得られる部分は楽しかったのですが

 

特に驚いたのは「カルセインとアリスティアの関係性が全然違う!!」これに尽きます。

 

漫画版、カルセインがアリスティアを庇って怪我をしたのにその後の描写があっさり(恋愛漫画的な意味で)だったり、「カルセインの扱いが冷たいような?」と思っていたのですが、小説版では、なんとアリスティアがカルセインを「セイン」と愛称で呼んでいたり、アリスティア父がカルセインをやたら可愛がっていたり(アリスティアの結婚相手として目をかけている)、カルセインが皇太子よりかなりリードしているような印象を受けました。

聞いたところ、小説版の結末に読者から批判が結構きたらしいのですが、「そりゃそうなるわな」と思いました。皇太子派だった私には、小説版は読むのがちょっと辛かったです(苦笑)、アリスティアも漫画版より皇太子嫌いです感が強いですし

漫画版は、皇太子とのやり取りにかなり尺が割かれているような、皇太子エンドがより自然になるよう話が作られてる感じがします。これは読者からの批判を受けての事だったのでしょうか邪推ですが。

 

そんな訳で、小説版も面白かったのですが、「漫画版を見てより詳細な情報が欲しくなった・自分はカルセイン派である」、そんな方はこちらの小説版も楽しめるのではないかと思います。

ちなみに、小説の外伝31~33話ではアリスティア処刑後の皇太子・美優のその後も描かれているので、興味のある方はぜひ。

 

 

漫画版ではまだまだ先が読めない状況ですが、やはり個人的にはアリスティアには皇太子とくっついて欲しいと思っています。

アリスティアが騎士になるならカルセインは悪くない相手ですが、アリスティアはどうしても政治的な思惑に巻き込まれる立場ですし、そこを守ってあげられるのは皇太子しかいない気がしますが、どうなのでしょう。

以前にどこかで「現状がどうあれ、皇太子が何かきっかけがあればアリスティアを手にかける人物なのに変わりない」という意見を見かけ、ごもっともだなと思いました。

アリスティアが抱えているトラウマの解消・次の恋に進む為には、アリスティアは一度、自分が過去に受けた仕打ちなど、皇太子に何もかもを話す過程が必要ではないでしょうか。冷静な彼女はそんな事は自分からやらないはずなので、ここは皇太子に頑張って貰わなければいけない部分です。どうやら皇太子はアリスティアが回帰前に何を体験したか聞きたい様子ですし、その時に皇太子がどう応えるか?、皇太子エンドへの一番重要なポイント、話全体を通しての重要パートになるだろうと思います。

正直、とても楽しみですね。早く先が読みたいです。アリスティアが一度は皇太子との子供を身籠った事を知ったら、どう反応するか見てみたい。

 

 

余談ですが、もしこの作品が神作画・声優・音楽付きでアニメ化されたら神作になるんだろうなと思わずにいられないです、それだけの潜在力がある作品と思います。魅力的な装飾の数々、引き込まれるストーリー

もしアニメ化されるなら、基本的に漫画版の流れに添いつつ、翻訳の為か不自然になっている日本語部分の訂正と、小説版の情報を加えつつ、より洗練された作品になってほしいですね。アリスティアの声優は、ゆかなさんとか合ってるかな

 

 

 

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なんで小説の読み方が中途半端かというと、私が先の展開が気になるあまり、途中から読み始めているからで…(すいません、その内ちゃんと最初から読んでいくつもりです)

こうしてブログという形で投下したのは、そういうところが中途半端な気がした為で。それと、自分の憶測が多すぎたので。これを出すのはちょっとなと、仮にやるならネタバレ抜いた前半部分だけですが、それだと自分の中でなんだか味気なくって。

 

 

ちゃんと小説をね、読んだ上で書けばいいのでしょうが、ちょっとこう、自分の中の感想やら何やら吐き出したくなりまして…。

普段ならこういうの、人の感想を拝見しただけで落ち着くものなんだけど、捨てられた皇妃の感想って、なぜかあまり見かけないんですよ。私が単に探し足りないだけかもしれませんが。

 

 

そんな理由で、このブログを始めるに至り。

多分また他の記事もあげると思います、まだまだ喋り足りないので。